桃の節句とは?桃にまつわる豆知識
3月3日は女の子の節句。
お雛祭りです。
もともとは『上巳(じょうし)の節句』と言われていましたが、今は『桃の節句』と呼ぶ人の方が多いと思います。
桃は実は生薬としても古くから親しまれてきました。
今日はなんで桃なの?
桃は東洋医学の世界ではどんな事に使われているの?
そんな小ネタ的なお話です。
節句とは?
桃の節句は五節句の1つ。
1月7日 人日の節句
3月3日 上巳の節句
5月5日 端午の節句
7月7日 七夕の節句
9月9日 重陽の節句
節句はもともとは縁起のよくない日なので邪気払いをしようという日。
陰陽の世界では、奇数は陽の数、偶数は陰の数とされていて、奇数は縁起が良くて偶数は縁起が悪いとされてきました。
節句は奇数月の奇数日は足すと偶数になるので、縁起が悪い日となるわけです。
だから穢れを祓う日なのです。
なんで桃なの?
旧暦の3月3日はちょうど桃のシーズンと重なる…
のもあるかもしれないけど本当はそうではありません。
桃は、中国では古くから魔除けの力があるとされてきました。
それが日本で邪気祓いの木として親しまれるようになりました。
桃太郎の鬼退治もここから来ているそうです。
日本の神話でもイザナギが黄泉の国で恐ろしいものに追われた際に桃を投げて追い払ったという話があります。
3月3日は不吉な日。
桃の力で邪気を払いましょう。
それが後々、女の子に災いが起きませんように。
すくすく育ちますように。
ということで上巳の節句は桃の節句。
桃の節句は女の子のお祭りになったのです。
生薬としての桃
桃の種
桃の種は生薬名で桃仁(とうにん)といいます。
桃仁は、気・血・水の“血”の流れが滞り気味の瘀血(おけつ)タイプさんに使われる漢方によく入っています。
《瘀血タイプさんの特徴》
☑︎ 顔がくすみがち
☑︎ アザができやすい
☑︎ クマができやすい
☑︎ 唇が紫色
生理や妊娠、出産などで女性は“血”の影響を受けやすい。
なので、瘀血タイプは女性にすごく多いのです。
桃仁といえば女性に嬉しい生薬の1つというイメージ。
桃の葉
よくベビー用のおしりふきやローションに『桃の葉エキス配合』と書かれているの見たことありませんか?
桃の葉のエキスは、あせもや湿疹にいいと言われています。
特に桃の葉湯として昔からお風呂で親しまれてきました。
江戸時代には夏の土用は桃の葉湯だったそうです。
お風呂で養生するというこの薬湯文化っていいですよね。
お風呂に入って身体を温めて癒すだけじゃなくて、薬草を入れることで身体をさらにいたわる。
まさに一石二鳥!
こうなんか生活の中でさらっと身体や心にいいことをする。
そんな感じが好きです。
土用に関係なく、よく汗をかいて肌トラブルになりやすい方や夏やジメジメし始める梅雨時は桃の葉湯はオススメです。
さっぱりします。
5月5日の菖蒲湯みたいに邪気払いの意味も込めて3月3日に桃葉湯に入るのもいいかもですね。
桃の葉エキス配合の入浴剤とかもありますが、ご興味がある方は是非乾燥させた桃の葉を使ってみてください。
1回だいたいガバッとふたつかみくらい。
煎じパックに入れるのが普通ですが、わざわざ買うのもな…な方は、ストッキングとかに桃の葉を入れてもいいですよ!
そしてそのままお風呂へポン。
もっときかせたい方は煎じパックや沸騰させてもいいような素材の袋に入れた桃の葉を10〜15分ほど煮出します。
そして、その煮汁を一緒にお風呂に入れるといいです。
成分がより出やすくなります。
※お風呂から出るときは必ずシャワーで洗い流してください
まとめ
邪気をはらってくれる桃。
可愛らしい花を咲かせる桃。
みずみずしくて美味しい桃。
女性によく使われる漢方に入っていたり、お肌のケアにもなったりと古くから親しまれてきました。
まさに女の子の節句にふさわしいと思いませんか?
お雛様を出すときや節句のお祝いのときに、こんな桃の豆知識をお子さんに話してあげるのもいいかもしれません。